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まんが甲子園では、最優秀賞以外にも珠玉の作品がたくさんあります。

今回からは『審査委員長賞編』と題して、各年の審査委員長賞を獲得した作品を展示しています。

メッセージ性の強い作品やユーモアあふれる作品が目白押しです。

それではご覧ください!


第28回(2019年) 審査委員長賞

全南芸術学校(韓国)

テーマ『元年』

(日本語訳)
「私はこのキャラクターが気に入った」
「私はこの子」
「なんか私たちがけんかしたときみたいだね」
「でもなんで私たちこんなにけんかしたんだっけ?」
けんかしても何の得もないのにね
「謝ってくれてありがとう」
漫画で一つになった彼ら
文化の力で真の和解の元年になることを祈ります。

 

全南芸術学校は第26回、第31回大会で最優秀賞に輝いた韓国の強豪校です。

教室で漫画を読んでいる2人の学生。

その漫画の中では、『あしたのジョー』の主人公“矢吹丈”と、韓国で有名なボクシング漫画『地獄のリング』の主人公“カチ”が試合をしています。

片方の男の子は「カチ」のことを気に入り、もう片方の男の子は「ジョー」が気に入った様子。

2人は漫画の中の試合を、自分たちがけんかした時と重ね合わせて「けんかをしても意味がない」とお互い仲直りしているようです。

作品全体を通して「争うことの無意味さ」や「互いを尊重し合う事」などのメッセージを訴えているようで読者は様々なことを考えさせられます。

作中の言葉「文化の力で真の和解の元年になることを祈ります。」のように、世界で起きている問題も文化の力でお互いが尊重し合って手を取り合える世界になることを祈ります。

このメッセージ性の強さが評価され、第28回大会で審査委員長賞に輝きました。


第27回(2018年) 審査委員長賞

順天第一高等学校(韓国)

テーマ『永久機関』

(日本語訳)
[無限大レーザー]
  永久機関研究機関
※韓国語では「永久」と「研究」はどちらも「ヨング」と発音するので、言葉を掛けています。
「最後は我々永久機関の核心動力です。」
「この箱は6面の鏡でできています。」(ジャジャーン)
「ここにレーザーを当てて」(ピッ)
「閉じると」
(ブワァーッ)
1. 「こうやって集めた無限大のエネルギーで…」
 2.(何だよー)
  3.「ハエを集めてバイオマスエネルギーを作ります。」
 4.(そりゃ一体何だよ~!)

 

「核心動力」や「無限大のエネルギー」といった胸をくすぐる言葉が登場し、動力の説明が進むにつれてオチへの期待が高まります。

ラストで明かされる「核心動力」とは、ハエを集めて作るバイオマスエネルギーのことで、無限大のエネルギーもレーザーも全てハエを集めるためにしか使われません。

壮大な前振りに対してこぢんまりとした規模の内容にギャップが生まれて笑いを誘いますね。

説明を聞いている学生たちはやや困惑していそうです。

この作品は独特な世界観が評価され審査委員長賞を獲得しました。

ちなみにイエバエというハエを使ったバイオマスリサイクルシステムがあり、フードロス問題や温室効果ガスの削減に効果があるようです。


いかがでしたか?

展示期間は11月末までです。ぜひ、まんがBASEでご覧ください。